そうしてみんないなくなった。フォームでのイベントトラッキングの経過

前回がフォームのイベントトラッキングを始めた記事だったが、今回はその経過報告。
記事を書いたのはほんの少し前だけど、設置してから少し時間がたったので。
何のためにフォームのイベントトラッキングを始めたのかはこちらをご覧ください。

フォーム改善のためにイベントトラッキングを始めたこと

間違ってきちゃった?【スクロールイベント】

調査期間は3週間。計測しているのはフォーム部品へのフォーカスイベントと、お問い合わせページのスクロールイベント。
流入経路は自然検索が最も多い。
さてそんなサイトの測定結果は。

イベント 発生率
スクロールの発生したセッション 2.78%
名前にフォーカス 0.926%
電話番号にフォーカス 0.926%
メールアドレスにフォーカス 0.926%
メアド確認にフォーカス 0.926%
お問い合わせ内容にフォーカス 0.926%
コンバージョン率 0%

コンバージョン率0%、つまりお問い合わせはなかった。これだけでも結構さんざんなのだが。

フォーカスイベントに関しては後述するが、まずはスクロールイベントを見ていただきたい。発生率はわずか2.78%。つまり97.22%の人はお問い合わせページにきて何もせずに去って行ったことになる。
ひどいかもしれないとは思ったが、ここまでひどいことになるとは思わなかった。
トラッキングのコード書き間違えてるんじゃないかと思った。

実際のところJavascriptで計測している関係上完璧な数値ではないと思ってはいる。
それでもおおよその傾向はつかめるだろうと思ったのだ。
トラッキング用のコードだって、セレクタの指定のしかたとか(idセレクタつかいなよとか)、スピードの改善できる箇所もあるだろう。
さらにとても繁忙期だったこともあったり、3月は検索順位の変動が非常に大きかったという変則的な外部要因があったはあった。

しかしやっぱりこの結果がサイトの傾向というか結果なんだろうと思う。
しかしほぼ0に近い数字だからなぁ。早急に改善しないとどうにもならない。

問題点

スクロールイベントの測定で傾向が出るだろうと予想していた問題点は、デザインの問題と誤操作による訪問だった。

デザインの問題はページのファーストビューにお問い合わせフォームが表示されないこと。
誤操作による問題は、他のページのボタンやリンクの大きさなどの影響でユーザーの意思に反してページに来ているのではないかという予測。

正直これだけスクロール率が低いとなると、来るつもりなんかなかったんではないかと思ってしまう。

スパムかもしれない【フォーカスイベント】

見ての通りフォーカスイベントもひどい結果だったが、その中でも一応内容を考えてみよう。
「名前にフォーカス」から「お問い合わせ内容にフォーカス」まで同じパーセンテージということだから、一度入力を始めたユーザーはとりあえずすべての項目の入力をしてくれている。

しかし結局コンバージョンに至らないこのセッションの原因が知りたくて、Goolge Analyticsをもう少し詳しく調べる。以下はその中の1つ。

ディメンション
デバイスカテゴリ desktop
OS Windows10
ブラウザ Chrome61.0.3163.100
サービスプロバイダ amazon technologies inc.
ネットワークドメイン amazonaws.com
United States
地域 Virginia
市町村 Ashburn
トラフィックの種類 direct
セッション時間 4秒

ちなみにお問い合わせページに直接ランディングしてるようだった。

…スパムっぽい?
最近のスパムってフォームの入力もするのかしら?
もしかすると、送信ボタンまで押しててバリデーションエラー食ったのかもしれない。(そこまでトラッキングするべきだった。。。)

ということでいまいち参考にできないデータも混じっている様子。
今回の調査は、サイトの状況的にもこちらの精神的な意味でも惨憺たる結果になったという結果が出たみたいだ。

改善方法を考える

がっかりばかりもしていられないので、改善できる方法を考える。
やはりスクロールイベントの発生率が低すぎることを改善するのが先決だろう。
一度にたくさんの修正を加えると、どの修正に効果があったのか計りにくくなってしまうので、ちょっとずつ試していく。

修正1.サイト内のお問い合わせリンクの見直し

まずはそもそも間違ってやってきてしまうユーザーを減らしたい。
設置してあるお問い合わせリンクのデザインを見直すことから始めたい。
間違ってやってきてるだろうユーザーに傾向が見られればよいのだけれど(例えばモバイルユーザーが多いとか)、残念ながら全般的に多いということしかわかっていないので、ボタンやリンクの押し間違いが起こりやすそうな所(要素間の距離が近すぎるとか、文字列が紛らわしいとか)を洗い出すことになりそう。

修正2.お問い合わせページのレイアウト修正

こちらは、お問い合わせページまで来てくれたけど不安になって帰ってしまうユーザーへの対策。
少なくともファーストビューにお問い合わせフォームが見えるように変更する必要がありそう。これから自分(ユーザー)がやろうとすることを予測させやすいように作り替えてみよう。

2つ修正を加えてみて、また計測して。
トライアンドエラーになるけど、使いやすくなるならそっちの方がずっといい。